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3D Modeling

【Blender】Blender 2.91最新版公開。超絶進化ポイントまとめ【VFX / CG】



みなさん、こんにちは。

剛丸興業の剛丸です。


今回は、無料で利用出来る統合型CGソフト「Blender」の最新版が公開されたので、その進化ポイントをまとめていきたいと思います。


Blenderの最新シリーズ、「Blender 2.90」シリーズが公開されました。

前回の大幅アップデートである「2.80」では、画面UIが今風なおしゃれな雰囲気に変わったり、リアルタイムレンダラーのEEVEEが初搭載される等、大きな進化が見られました。


さて、今回の2.90では、どんな進化を見せてくれるのでしょうか。


Twitter上でも、Blenderの進化の速さに驚きの声が複数上がっています。

かくいう私もその進化のスピードになかなかついていけていませんが・・・笑








更に詳しい詳細はBlenderの公式HPをご覧ください(英語)



2.90ではここが進化した!



Cyclesでもリアルタイムレンダリングが可能に!


Blenderには2種類の標準搭載レンダラーがあります。

物理ベースでフォトリアルな描写が可能なCyclesと、セルルックで高速なレンダリングが可能なEEVEEです。

Cyclesは、「写実的だが、レンダリングが遅くノイズが多い」EEVEEは、「高速でリアルタイムなレンダリングが可能だが、写実的な表現が苦手(逆にアニメ調やSF調の描写は得意)」という印象でした。


「Cyclesが高速化すれば最高なのに・・・」

と多くのBlenderファンは考えていましたが、それが現実になりました!


Intel社製のグラフィックボード「RTXシリーズ」搭載のPCであれば

Cyclesレンダーでもリアルタイムレンダリングが可能となりました。


まずは比較動画をご覧ください👇


Blender 2.83(旧バージョン)




Blender 2.90(新バージョン)



同じシーンでもこんなに違う!!

2.90ではしっかりとデノイズされていることがわかります!


私もこのデノイズ機能を使用して製作をしていますが作業効率が大きく変わってきます。

現在、2.83以前のバージョンを使用している方は、2.90以降に切り替えて、より快適な作業を進めていきましょう。



圧倒的にリアルな「空の表現」


Blender 2.90では、「空の表現が大幅向上」

今まではHDRIを使用しなければリアルな空の描写は難しかったのですが

今回のアップデートで、パラメータを調整するだけでリアルな空の描写が可能に。

使い方も簡単なので気軽に活用できる機能ですね。


よりリアルな大気を使用することで、建物のモデリングや、風景のモデリング等、景色描写に役立ちそうです。




 

豊かになった海の表現

Blenderの「海洋モディファイヤ」は、海を表現するために非常に便利なツールです。パラメータ1つでリアルな海の表現が可能です。




従来の、海洋モディファイヤでは、オブジェクトを海洋上に変形させる形状への作用のみでしたが、2.90からは、新しく生成される海洋の動きに合わせて潮のテクスチャを生成する機能が追加されました。

これでモデリングのみならず、より自然な海洋のテクスチャ製作が可能になりました。


https://docs.blender.org/manual/en/2.90/modeling/modifiers/physics/ocean.html#spray
自動生成された潮マップ Blender HPより引用 https://docs.blender.org/manual/en/2.90/modeling/modifiers/physics/ocean.html#spray


 

操作性が向上【モデリング、UI】

Blender 2.90の新しいUIデザインでは、CG製作における利便性が大幅アップ。


モディファイヤの順番を、ドラッグ&ドロップで入れ替えることができるようになり、直感的にモディファイヤを配置して時間短縮を図れます。


Blender HPより引用 https://www.blender.org/download/releases/2-90/

また、画面上に常にポリゴン数やオブジェクトの数といった情報を配置することができるようになりました。




モデリングがさらに便利に

モデリング機能が充実しているBlenderですが、更に便利な機能が追加されました。


面押し出し時に、自動で頂点マージしてくれる機能が追加!

面の押し出しは非常に便利な機能です。

簡単なポリゴンから形状を作成するモデリング作業では、押し出し機能で形状を整えることが多いのです。

しかし、ポリゴン内側方向への押し出しの場合、頂点が重なってしまい、頂点結合をして、メッシュに齟齬をなくすための努力が必要でした。


しかし、ついにBlenderが自動で頂点結合してくれる新機能が追加!

これでモデリング時間の短縮が可能になります。



また、ループカットで辺を追加する際にも、重なった複数の頂点を自動で結合してくれる新機能が追加されました。


これでより快適な、製作が行えますね!




 


スカルプト機能が充実

彫刻や粘土のように、メッシュを盛り上げたり、削ったりしてモデリングをしていくスカルプト機能。

感覚的な操作が可能なため、初心者の方でも簡単にCGを楽しめるツールの1つです。


そんなスカルプティング機能が大幅進化。


Blenderのアニメーションを作成する際に、今まではアーマチュアを追加することでリギングする手法が一般的でしたが、この機能を活用することで、スカルプティングとシェイプキーによるアニメーションの制御が可能になりました。


実際、フェイスリグ等を組む際に、リグだけではなくシェイプキーによる制御がどうしても必要になります。

今回のスカルプト機能の拡充で、キャラクターアニメーションの可能性もより広がりました。



(Blender 2.90 HPより引用 https://www.blender.org/download/releases/2-90/)

(Blender 2.90 HPより引用 https://www.blender.org/download/releases/2-90/)


布のスカルプト機能が大幅追加!

リアルな衣類をCGで製作するのは、実はかなり難しい作業です。

なぜなら、衣類の皺や、生地の質感は非常に細やか、かつ複雑で、その形状を再現するのも同様に複雑な技術が必要だからですね。


しかし、今回のBlenderのアップデートで、複雑な形状の布も簡単に制作することができるようになりました。

布をスカルプトするための専用ブラシが多数追加されたためです。


これでメッシュをひと撫ですれば、布が製作できるのですから魔法のツールですね。




 


まとめ

「本当にこれ、無料で使えるツールなの?むしろ無料で使っちゃっていいの!?」


その他にも新機能がてんこ盛りのBlender最新版のダウンロードはこちらから(無料)

https://www.blender.org/download/releases/2-91/


ちなみに2020年12月現在Blenderの最新バージョンは2.91です。

2.90シリーズの最新バージョンとなります。

2.91でも2.90から多くの進化がありました!


後日解説しますので、ぜひご一読ください!







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